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恩賞 : ミニ英和和英辞書
恩賞[おんしょう]
(n) reward
===========================
: [おん]
 【名詞】 1. favour 2. favor 3. obligation 4. debt of gratitude 
恩賞 : [おんしょう]
 (n) reward
: [しょう]
  1. (n,n-suf) prize 2. award 
恩賞 : ウィキペディア日本語版
恩賞[おんしょう]
恩賞(おんしょう)とは、近世以前に行われた合戦において、主君が武士が戦功を挙げた家人や武士に対して表彰し、所領もしくは官途状感状、物品の授与、格式の免許、官職への任官の推薦を行うこと(関連用語→恩給)。
== 日本 ==

=== 古代 ===
日本における恩賞の給与は、古代以降、蝦夷征伐や謀叛の鎮圧に功労のあった武官に対して、朝廷が官位任官または昇叙を行ったことによる。
9世紀に入り、軍団が形骸化し実質的に消滅していくと、郡司・富豪層や俘囚が「発兵勅符」に基づいて軍事力として編成されるようになり、功績を挙げた郡司・富豪・俘囚に恩賞が与えられた。9世紀末頃からは、「追捕官符」の発布を受けた国司(国衙機構)が自らの裁量で国内の郡司・富豪層を軍事編成するようになり、功績の顕著な者に対しては朝廷から恩賞が給与された。
10世紀前半、東国では寛平・延喜東国の乱、西国では承平南海賊という戦乱が発生しており、両乱の鎮圧に挙げた国司や軍事・富豪(田堵負名)層の功績は非常に高かったが、彼らに対する恩賞は十分なものとは言えず、この不満が高じて承平天慶の乱の発生要因となった。なお、この過程において、国司(国衙機構)を中心とする軍事制度、すなわち国衙軍制が成立した。
国衙軍制の中では、国司が軍事面における最高指揮者であったため、国司の地位は決定的であった。10世紀から11世紀にかけて、貴族社会において特定の家系が一つの官司を世襲する「官司の家業化」が急速に進展しており、その流れの中で、武芸・軍事を「家業」とする貴族家系(兵の家)が登場していた。兵の家は、受領を歴任し、また押領使追捕使に補任されるなどし、代々培ったノウハウをもって各地の軍事力を編成するとともに、田堵負名層と私的な主従関係を結ぶ者も現れた。兵の家の一部は11世紀に入ると軍事貴族へと成長した。
11世紀中葉に王朝国家体制が変質すると(後期王朝国家)、田堵負名層の多くは武士化するとともに在地領主化していき、一方、国衙軍制は崩壊し、国司の代わりに代々国押領使・国追捕使の地位を世襲してきた「一国棟梁」を中心とした軍事力編成がなされるようになった。軍事貴族層でもある一国棟梁は、田堵負名層(在地領主層)らの所領を安堵(所領権を保証すること)し、田堵負名層は、軍役に応え戦功に応じてさらに新たな所領を与えられたりした。こうした武功による恩賞の査定・授与を論功行賞という。
「追捕官符」に基づき、一国棟梁たる軍事貴族らは家人である武士団(=田堵負名層(在地領主層))を率いて謀叛や蜂起を鎮圧すると、軍事貴族自らも恩賞を獲得するとともに、家人の恩賞を朝廷に周旋し、家人の任官・昇叙に関与したり、または荘官職に補任することによって新たな所領を宛がったりした。軍事貴族の中でも、高位の四位に任じられた清和源氏と桓武平氏は、この時代新たに登場した武士層の棟梁、すなわち武家の棟梁と呼びうる存在であった。こうした武家の棟梁に対する恩賞は、所領を棟梁から家人へ分け与える一方、棟梁自らはさらなる勢力拡大のために収入の多い国の国司職や、中央政界における地位向上につながる位階の昇叙、御所への昇殿などを獲得するよう積極的に運動し、源氏や平氏の棟梁はこうした戦功を勝ち得る中で中央政界における地位と、諸国における武力を確立を図っていった。
恩賞給与には常に公平性の問題がつきまとった。勲功の報告は、受領や追捕使・追討使などを通じて行われたため、必ずしも微に入った報告がなされたとは限らず、また報告者によるひいきも行われた可能性もある。そのため、給与された恩賞に対する不満は常に潜在していたと言ってよい。武士にとっての恩賞とは、家門の反映や永続、地位や勢力の維持を図る上で非常に切実な問題であったからである。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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