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名誉殺人 : ミニ英和和英辞書
名誉殺人[めいよ]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [な]
 【名詞】 1. name 2. reputation 
名誉 : [めいよ]
  1. (adj-na,n) honor 2. honour 3. credit 4. prestige 
: [さつ]
 【名詞】 1. kill 2. murder 3. butcher 4. slice off 5. split 6. diminish 7. reduce 8. spoil 
: [ひと]
 【名詞】 1. man 2. person 3. human being 4. mankind 5. people 6. character 7. personality 8. true man 9. man of talent 10. adult 1 1. other people 12. messenger 13. visitor 1

名誉殺人 ( リダイレクト:名誉の殺人 ) : ウィキペディア日本語版
名誉の殺人[めいよさつじん]
名誉殺人(めいよさつじん、英:honor killing)とは、女性婚前・婚外交渉強姦の被害による処女の喪失も含む)を女性本人のみならず「家族全員の名誉を汚す」ものと見なし、この行為を行った女性の父親や男兄弟が家族の名誉を守るために女性を殺害する風習のことである。イスラーム文化圏では同性愛者も対象となる。
== 概要==
国際連合人権高等弁務官事務所の2010年の調査によると、名誉殺人によって殺害される被害者は世界中で年間5000人にのぼるとされる。
アムネスティ・インターナショナルは名誉殺人が行われている国および地域として、バングラデシュトルコヨルダンパキスタンウガンダモロッコアフガニスタンイエメンレバノンエジプトヨルダン川西岸ガザ地区イスラエルインドエクアドルブラジルイタリアスウェーデンイギリスを挙げている。名誉殺人は、主に中東イスラーム文化圏を中心に行われているため、イスラーム教と関連した風習と見なされることが多い。しかし、イスラーム教徒以外の間でも行われており、実際はイスラーム教とは無関係であり、専ら地域の因習によるものであるとされる(下記参照)。
名誉殺人は特に、パキスタンで多く発生しているとされる。これは、パキスタンは中央政府の統制力が弱く、地方においてはその土地の部族の力が伝統的に強いため、部族の慣習法が国の法律に先立つ状態となっているためである。実際にパキスタンの憲法では、連邦直轄部族地域について、パキスタン連邦議会および州議会の立法権限が及ばない地域であると明記しており、現地の部族勢力にかなりの裁量が許される状態にある〔 - 防衛省防衛研究所〕。また、クルド人などの中東圏出身者がヨーロッパなどに移民することによって、名誉殺人の風習も持ち込まれ、スウェーデンなどで度々行われ、社会問題になっている。
パキスタンでは、2011年に900人の女性が名誉殺人の犠牲になったとの調査もある。ヨルダンなどでは年間15~20人の犠牲者が出ており、「名誉殺人」は殺人罪で裁かれるものの、婚前交渉などで家の名誉を汚したと認定された場合、情状酌量が認められて減刑になる場合がある。トルコでは、2000年から2005年の間に、1806人の女性が殺害され、さらに、5375人が家族からの圧力により自殺している。イラクにおいて、サッダーム・フセインの独裁時代に比べて、女性の地位が著しく悪化し、名誉殺人も増加している。
殺害方法は家族会議で決定される。例として、絞殺火あぶりなどが挙げられる。直接に殺害するのではなく、自殺するように家族が強制する場合もある。また、被害者は娘に限定されず、母親なども対象となる場合がある〔。
名誉殺人においては、たとえどのような理由があろうとも婚前・婚外交渉は許されないことだと考えられており、自分の娘を殺してもその地域においては家族の名誉を守った英雄として扱われるという。また、婚前交渉など無くとも、単に「男性を見た」という理由だけで発生する殺人もある〔。
もちろん、名誉殺人が行われている地域の国々でも、近代法治国家においては犯罪であり、殺人であると規定されている場合がほとんどである。しかし、法体系が整備されていない国や、上記のパキスタンのように国家の力が地方にまで及ばない国においては、いまだに数多く行われている。
家庭内で行われる殺人であり、また、この風習が根強い地域では、殺人行為自体が「名誉」であるとされるため、実行犯は家族ぐるみ、地域ぐるみで庇われることになる。そのため、たとえ国家によって法が整備されていても、警察に届けられることはほとんどない。よって、その国の治安機関の能力が未熟な場合、発覚すること自体が稀になってしまい、現在報告されている事例も氷山の一角とされる。
殺害方法を決定する家族会議には母親・姉妹も積極的に加わることも珍しくない。イギリスケンブリッジ大学研究チームの調査によると、ヨルダンの10代の男女850人以上を対象に調査したところ、全体では33.4%が「支持」もしくは「強く支持」すると答えた。支持する考えを示したのは男子で46.1%、女子でも22.1%に達した。
しかし一方で、母親や姉妹が反対したにもかかわらず、父や兄の手により殺されることもある。2008年には、イラクのバスラで、占領軍兵士と仲良くなったイラク人女性が、父親と兄の手により絞め殺された〔Her crime was to fall in love. She paid with her life 〕。父親はインタビューに対し、イスラームの男として、父親として、自分と家族の信仰と名誉を守っただけであり、警察も地域の友人も自分を賞賛してくれたと述べ、さらに娘のような恥さらしは生まれてすぐ殺してしまうべきだったと述べ、改めてこのようなふしだらな娘は殺されて当然と主張した〔My daughter deserved to die for falling in love 〕。また、父親が娘の殺害に反対しても、その父親を監禁して父親以外の家族が娘を殺害するケースや、家族が殺害を拒否しても、周囲の嫌がらせや圧力などにより殺害に及ぶケースもあるなど、必ずしも家族内のみで決定されるわけではない。
「名誉殺人」の被害者を積極的に救出している団体として、スイスに本部を置くシュルジールがある。日本では、シュルジールの活動を支援するページがシュルジールの活動を紹介している。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「名誉の殺人」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Honor killing 」があります。




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