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ヘムタンパク質 : ミニ英和和英辞書
ヘムタンパク質[しつ, たち]
haemoprotein
===========================
タンパク質 : [たんぱくしつ]
 protein
: [しつ, たち]
 【名詞】 1. quality 2. nature (of person)
ヘムタンパク質 ( リダイレクト:ヘム ) : ウィキペディア日本語版
ヘム[しつ, たち]

ヘム英語: 、米語: 、ドイツ語: )は、2価の原子とポルフィリンから成る錯体である。通常、2価の鉄とIX型プロトポルフィリンからなるプロトヘムであるフェロヘムのことをさすことが多い。ヘモグロビンミオグロビンミトコンドリア電子伝達系シトクロム)、薬物代謝酵素(P450)、カタラーゼ一酸化窒素合成酵素ペルオキシダーゼなどのヘムタンパク質補欠分子族として構成する。ヘモグロビンは、ヘムとグロビンから成る。ヘムの鉄原子が酸素分子と結合することで、ヘモグロビンは酸素を運搬している。
フェリヘムやヘモクロム、ヘミン、ヘマチンなど、その他のポルフィリンの鉄錯体もヘムと総称されることもある。
== 生合成 ==
ヘムは以下のように8段階の反応によって生合成される。
第1段階
ポルフィリンヘムの生合成の律速酵素は、グリシンスクシニルCoAがD-アミノレブリン酸へ縮合することを媒介するアミノレブリン酸シンターゼ(アミノレブリン酸合成酵素)(Aminolevulinic acid synthase)()である。アミノレブリン酸シンターゼは、ミトコンドリア内に所在する。ヘム合成の第1段階の反応である〔ポルフィリン生合成とヘム代謝におけるヒトABCトランスポーターの役割 、田村 藍ほか、日本薬理学雑誌、Vol. 130 (2007) No. 4 〕。ヒトにおいてはアミノレブリン酸シンターゼの転写は、と結合していないポルフィリン中間体の蓄積を防ぐために、ポルフィリンとの結合要素であるFe2+の存在の有無によって厳密に管理されている。体内には2種類のアミノレブリン酸シンターゼが存在する。1つは、赤血球前駆細胞で発現し、もう1つは全身で発現するものである。赤血球の形成は、X染色体上の遺伝子に記述されているが、もう1つは3染色体の遺伝子上に記述されている。X染色体に関連した鉄芽球性貧血は、X染色体上のアミノレブリン酸シンターゼの遺伝子の変異によって起こるが、もう1つの遺伝子の変異は何の疾患も発生させない。
第2段階
ミトコンドリアから細胞質に移行したD-アミノレブリン酸2分子が細胞質に所在するアミノレブリン酸脱水酵素によって脱水縮合されると、ピロール環構造を持つポルフォビリノーゲン(PBG)となる。

D-アミノレブリン酸2分子 ポルフォビリノーゲン(PBG)
第3段階
細胞質においてポルフォビリノーゲン4分子がポルフォビリノーゲン脱アミノ酵素(別名:ヒドロキシメチルビラン合成酵素)によってアンモニアを脱離して結合すると、ピロールが4つ直線状に連結した構造をもつヒドロキシメチルビランが出来る。
4 + H2O ⇒ + 4 NH3
ポルフォビリノーゲン ヒドロキシメチルビラン
第4段階
ヘム合成回路において細胞質においてヒドロキシメチルビランウロポルフィリノーゲンIIIシンターゼによって縮合し、環を巻くとウロポルフィリノーゲンIIIとなる。この際、ウロポルフィリノーゲンIIIシンターゼの働きにより4つのピロール環が整然と並んだヒドロキシメチルビランの一端のピロール環一つだけが反転して縮合し環を形成する。ウロポルフィリノーゲンIIIシンターゼが働かない場合、ピロール環が整然と並んだままのヒドロキシメチルビランが自発的に縮環してウロポルフィリノーゲンI が生成する。ウロポルフィリノーゲンI はウロポルフィリノーゲン脱炭酸酵素の基質となりコプロポルフィリノーゲンIへと変換されるが、これはコプロポルフィリノーゲン酸化酵素の基質とならないため、プロトポルフィリンには至らない〔はじめに: ポルフィリン症 メルクマニュアル18版 日本語版〕。
このようにウロポルフィリノーゲンI やコプロポルフィリノーゲンIが蓄積していくことがポルフィリン症の原因の1つとなりうる。

ヒドロキシメチルビラン ウロポルフィリノーゲンIII

ウロポルフィリノーゲンI
第5段階
細胞質においてウロポルフィリノーゲンIIIが、ウロポルフィリノーゲン脱炭酸酵素によって4つの酢酸基が脱炭酸されてメチル基となったものがコプロポルフィリノーゲンIIIである。
200px ---> 200px + 4 CO2
ウロポルフィリノーゲンIII コプロポルフィリノーゲンIII
第6段階
さらに、細胞質に所在したコプロポルフィリノーゲンIIIがミトコンドリア内に移行し、コプロポルフィリノーゲン酸化酵素によって2箇所のプロピオン酸基が酸化され、ビニル基に変換されるとプロトポルフィリノーゲンIX となる〔。
--->
コプロポルフィリノーゲンIII プロトポルフィリノーゲンIX
第7段階
最終的にプロトポルフィリノーゲン酸化酵素によって酸化されると、共役したポルフィリン環が形成され、プロトポルフィリンIX ができあがる。
--->
プロトポルフィリノーゲンIX プロトポルフィリンIX
第8段階
鉄付加酵素によりプロトポルフィリンIXにが配位したものがヘムである。この反応はミトコンドリア内で進む。ミトコンドリア内で生成されたヘムは細胞質に出て対応するアポタンパク質と結合してヘムタンパク質となる〔。
+ Fe2+ ⇔ + 2H+
プロトポルフィリンIX ヘム
ヘム生合成の8段階の反応と関連事項

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ヘム」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Heme 」があります。




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