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ニーマン・ピック病 : ミニ英和和英辞書
ニーマン・ピック病[やまい]
Niemann-Pick disease
===========================
: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
: [やまい]
 【名詞】 1. illness 2. disease 
ニーマン・ピック病 : ウィキペディア日本語版
ニーマン・ピック病[やまい]

ニーマン・ピック病(ニーマン・ピックびょう、)は、先天的な遺伝子の変異によって引き起こされる酵素の異常によって、本来分解されるはずの不溶性の代謝物が細胞内に蓄積する先天性代謝異常症である〔VinayKumarほか著『ロビンス基礎病理学 原著8版』豊國伸哉ほか監訳、丸善出版、2011年、279頁〕。常染色体劣性遺伝の遺伝形式をとる〔。
分類によって発症メカニズム・症状・予後などが大きく異なる疾患であり、ニーマン・ピック病A型およびB型は、細胞内の酸性スフィンゴミエリナーゼの異常によって起こるスフィンゴミエリンの蓄積が原因とされ、内臓腫大等の症状を生じる〔VinayKumarほか著『ロビンス基礎病理学 原著8版』豊國伸哉ほか監訳、丸善出版、2011年、282頁〕。ニーマン・ピック病C型は脂肪輸送の欠陥によって、細胞内にコレステロールが蓄積し、小児期に運動失調やその他の神経症状を生じる〔。
== 概要 ==

常染色体劣性遺伝の遺伝形式をとる先天性遺伝子疾患である〔瀧川雅浩ほか『標準皮膚科学 第9版』、医学書院、2010年、352頁〕。
細胞小器官の一つであるリソソーム(ライソゾーム)は、体内のさまざまな物質を加水分解酵素で分解する役割を持つ〔森下 英晃・水島 昇 リソソーム 脳科学辞典、2015年10月、2015年11月最終確認〕。この酵素(リソソーム酵素と総称される)に先天的な遺伝子の変異が生じると、酵素によって本来分解されるべき代謝物が分解されず、細胞内に蓄積してしまい異常が生じる。このような疾患をライソゾーム病と呼び〔、ニーマン・ピック病もこの一種である。
変異する遺伝子によって大きく二つに分類され、SMPD1と呼ばれる遺伝子の変異によって生じるものをニーマン・ピック病A型,B型〔、NPCと呼ばれる遺伝子の変異で生じるものをニーマン・ピック病C型と呼ぶ〔。蓄積する代謝物はA型,B型とC型とでやや異なり、A型,B型ではスフィンゴ脂質の一種であるスフィンゴミエリンが、C型ではコレステロールがおもに蓄積する〔Richard A. Harvery,Denise R. Ferrier『リッピンコット イラストレイテッド生化学 原著6版』石崎泰樹ほか監訳、丸善出版、2015年、267-269頁〕。ニーマン・ピック病の他にも、スフィンゴミエリンとは異なるスフィンゴ脂質が蓄積するライソゾーム病は複数あり、これらを総称してスフィンゴリピドーシスと呼ぶ。〔James, William D.; Berger, Timothy G.; et al. (2006). Andrews' Diseases of the Skin: clinical Dermatology. Saunders Elsevier. p. 536. ISBN 0-7216-2921-0.〕
臨床症状としておもに脾腫が生じ、一部では神経症状を認める。専門とする診療科は神経内科であるが、神経症状あるいは発症時期などから小児科あるいは精神科に受診して、その後神経内科へ紹介される例もある〔大野・阿部ほか「ニーマンピック病C型-早期診断と治療」『Pharma Medica』vol.33 No.5、メディカルレビュー社、2015年、94-95頁〕。また、病理組織像としては、主にニーマン・ピック細胞とよばれる泡沫状の空胞を有する細胞が主に骨髄脾臓で観察されることが特徴である〔西基ほか監著『STEP小児科 第3版』海馬書房、2012年、136頁〕〔。予後は分類によって大きく異なる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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