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サイイド : ミニ英和和英辞書
サイイド
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。


サイイド : ウィキペディア日本語版
サイイド

サイイド( Sayyid)は、イスラーム圏で使用される尊称。複数形はサーダ(Sāda)〔嶋田「サイイド」『アジア歴史事典』4巻、1頁〕。セイエドセイイェドとも。アラブ諸国では、英語の成人男性の敬称「Mister」の訳語として用いられる。「Mrs.」または「Ms.」にあたる女性の敬称はサイイダ(سيّدة)。
「主人」「重鎮」という意味があり、部族集団の重要人物、主君などに対して使用される〔森本「サイイド」『岩波イスラーム辞典』、386頁〕。かつては奴隷やマワーリーが主人に、妻が夫に対して「サイイド」という尊称を使用していた〔。
また、サイイドの敬称は預言者ムハンマドの直系子孫と一部の傍系親族を指す一般的な尊称としても使用される〔。これらの一族を指して、日本のイスラーム関連の研究者の間では「聖裔家」「聖裔」と表記する場合もある。本項では、ムハンマドの直系子孫と傍系親族を指すサイイドの称号を解説する。
== サイイドの範囲 ==
イラン周辺・イラク・中央アジアなどの地域では、特に預言者ムハンマドの娘ファーティマカリフアリーの息子であるハサンフサインの男系(および場合によっては女系も含めた)の後裔たちを言う。10世紀末には、サイイドがムハンマドの一族を指す尊称として使用されていたことが確認されている〔森本「サイイドとシャリーフ」『イスラーム世界の発展』、301頁〕。編み込んだ2本の髪の房や緑色のターバンなどで、サイイドたちは自らの血統を表した〔。
サイイドに含まれる血族の範囲については様々な意見があり〔、時代や地域によって差異がある〔〔赤坂「サイイド」『中央ユーラシアを知る事典』、211頁〕。初期はムハンマドの叔父であるアブー・ターリブの子孫を指していたが、時代が経つにつれてファーティマとアリーの間に生まれた2人の子供の子孫に限定されていったと考えられている〔。通常サイイドの血統は父方のみを通して伝えられるとされ、ムハンマドら祖先から継承した美徳はシーア派、民衆的スーフィズム(神秘主義)の信奉者に崇拝された〔。ムハンマドの精神的な系譜に連なることを主張するためサイイドを称したスーフィーは多く、預言者が帯びる男気(futūwa)にあやかってサイイドを称する任侠の徒も少なからずいた〔森本「サイイドとシャリーフ」『イスラーム世界の発展』、298頁〕。サイイドがムハンマドやアリーら父祖から継承するものは美徳といった内面的なものだけでなく、外見にも及ぶと考えられ、祖先の生き写し(al-shabīh)と仇名された者もいた〔。
女性であるファーティマを経た変則的な血統の継承は、しばしば母系からのサイイドの血統の相伝が可能であるか否かという議論を引き起こし、母系からの相伝が認められた例もある〔森本「サイイドとシャリーフ」『イスラーム世界の発展』、303頁〕。中央アジアに存在したウズベク国家のヒヴァ・ハン国ブハラ・ハン国コーカンド・ハン国の王家は19世紀の時点でサイイドを自称していたが、いずれの王家も母方を通してムハンマドの血統を継いでいる点を根拠としていた〔森本『聖なる家族』、77-78頁〕。ファーティマとアリーの直系子孫を「ムハンマドの一族」として特別視する人々はハディース(伝承)を取り上げて、ムハンマドの血統が女性であるファーティマを介した点の合理化を試みた〔森本『聖なる家族』、22-24頁〕。また、サイイドと非サイイドとの結婚に際して血統の釣り合いを重視するイスラーム法の規定がしばしば問題となり、結婚に異議が唱えられることもある〔森本「サイイドとシャリーフ」『イスラーム世界の発展』、293-294,299-300頁〕。





抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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