翻訳と辞書
Words near each other
・ アポクリファ
・ アポクリファ/0
・ アポクリン腺
・ アポクリン腺、離出分泌腺
・ アポクロマート
・ アポクロマートレンズ
・ アポゴン (潜水艦)
・ アポシニン
・ アポジ
・ アポジエンジン
アポジキックモーター
・ アポジモーター
・ アポジー
・ アポスティーユ
・ アポステイト
・ アポステリオリ
・ アポストル
・ アポストル家
・ アポストル群島
・ アポストロス・アンドレアス岬


Dictionary Lists
翻訳と辞書 辞書検索 [ 開発暫定版 ]
スポンサード リンク

アポジキックモーター : ミニ英和和英辞書
アポジキックモーター[ちょうおん]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

アポジキックモーター : ウィキペディア日本語版
アポジキックモーター[ちょうおん]
アポジキックモーター(Apogee Kick Motor, AKM)は、人工衛星軌道投入に使われる上段の推進装置のことで、アポジモーター(固体ロケットモーター使用時)、またはアポジエンジン(液体エンジン使用時)とも呼ばれている。
衛星下部またはロケット最上部に搭載され、人工衛星を静止トランスファ軌道から静止軌道へ投入(近地点を上昇)するため、遠地点(アポジ)で噴射が行われる。
== 概要 ==
静止衛星は高度が高いため、軌道投入は3段階で行われる。一例を挙げると、まず、打ち上げロケットにより低高度(200km)円軌道に乗せ、次いでロケット上段により、最高高度36,000kmの楕円軌道(静止トランスファ軌道)へ遷移(ペリジキック)させる。
最後に、衛星のアポジキックモーターにより、楕円軌道を高高度円軌道へ遷移(アポジキック)させ、静止軌道に乗せる。赤道以外から打ち上げた場合、そのままでは軌道面が傾いている(種子島の場合、約30度)ので、軌道面(軌道傾斜角)の変更もあわせて行う。
1980年半ばに液体アポジエンジンが登場するまでは、アポジキックモーターには固体燃料ロケットが使用された。その後徐々に液体アポジエンジンの採用が増えたが、現在でも小型の衛星では固体アポジモーターが使われることがある。固体モーターは1回の噴射で一気に静止軌道に投入する。
液体アポジエンジンは、ヒドラジン四酸化二窒素などを利用する液体燃料ロケットであり、噴射を数回に分けて行い、軌道高度を比較的ゆっくりと上昇させる〔例えばきずな (人工衛星)では、4回に分けて加速している。〕。固体アポジモーターの場合は1回の噴射で静止軌道に投入するため、大きな推力で噴射する。このためアポジモータ噴射時には衛星の姿勢を安定させるために衛星をスピン回転させて安定させる必要がある〔噴射中に衛星の姿勢が崩れると予定外の軌道に入ることになるため、姿勢の安定化は重要。〕。
一方、液体アポジエンジンを使用する場合は、固体モーターほど推力は大きくないため(小推力で長時間の噴射)衛星の姿勢安定も楽になる。このため、三軸姿勢制御を維持しながら噴射を行うことができることから太陽電池パネルも部分展開が可能となり、発生電力もより確保できるなど衛星設計の自由度が増すため、大型衛星では液体アポジエンジンを使用するようになった。
種子島から標準静止トランスファ軌道〔遠地点高度36,226 km、近地点高度250 km、軌道傾斜角28.5度〕を使用場合して静止衛星を打ち上げる場合、アポジキックモーターが必要とする推進剤の質量は、静止軌道に投入できる質量にほぼ匹敵する。そのため、衛星にアポジキックモーターを搭載すると、静止トランスファ軌道への打上げ能力は、衛星本体の質量のほぼ2倍が必要になる。使用されるトランスファ軌道の軌道傾斜角、ひいては射場の緯度が大きい場合、アポジキックモーターに求められる増速度は増大する。
2013年度に初打ち上げを予定するH-IIA改良型では2段目の再々着火が可能なので、高度36,226 kmの遠地点で増速することにより、衛星をより静止軌道へ近いロングコースト静止トランスファ軌道に投入することができる。これにより、衛星のアポジキックモーターに求められる増速度を、射場の緯度が低いアリアンプロトンで打ち上げる場合のそれと同程度に縮小可能としているが、このトランスファ軌道へ投入できるペイロードは標準軌道より縮小する。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「アポジキックモーター」の詳細全文を読む




スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース

Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.