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HSPA : ウィキペディア日本語版
HSPA

HSPA (High Speed Packet Access) は、W-CDMAを拡張した高速パケット通信規格である。第3世代移動通信システム (3G) に対して、第3.5世代移動通信システム (3.5G) と位置づけられている。
下りの高速化をHSDPA (High-Speed Downlink Packet Access)、上りの高速化はHSUPA (High-Speed Uplink Packet Access) または EUL と呼ぶ。また、3GPP (Third Generation Partnership Project) Release 7にて、HSPA Evolution としてさらなる高度化が行われた。

== HSDPA ==

HSDPAは、3GPP Release 5にて規定されている。物理チャネル速度としてセル当たり下り方向最大14.4Mbpsのパケット通信が可能である〔外部リンク High Speed Downlink Packet Access (HSDPA); Overall description; Stage 2 〕。
3GPP FDDRelease '99規格に対して、物理レイヤでは以下のチャネルが追加された。
* 下り方向
 * HS-PDSCH (High Speed Pysical Downlink Shared Channel)
 * HS-SCCH (Shared Control Channel)
* 上り方向
 * HS-DPCCH (Dedicated Physical Control Channel(uplink) for HS-DSCH)
また、MACレイヤでは以下の機能を有するMAC-hsが物理レイヤと隣接する形で新設された。
* 基地局側
 * フロー制御 - 上位レイヤに対して、無線側の通信速度に応じた適切なデータ送出速度を指示する機能。ただし、3GPP上では本機能を実現するアルゴリズムは規定されず、実装依存となっている。
 * スケジューリングおよび優先制御 - 上位ノードから通知された優先度情報を考慮しつつ、システム全体の総合的な通信効率を向上させることを目的として、端末にタイムスロットを配分する機能。ただし、3GPPにおいては本機能を実現するアルゴリズムは規定されず、実装依存となっている。
 * パケット合成型HARQ - Hybrid Automatic Repeat Requestの略。受信側で復号失敗データが破棄されずに再送データと組み合わせて復号されることを考慮した上で、再送パターンを決定する。複数のHARQプロセスが独立に動作する。
 * TFRIの選択 - TFRI (Transport Format Resource Index) はタイムスロットに割りあてたコード数、変調方式、データサイズを表しており、HS-SCCHを用いて端末に送信される。端末から送信された品質情報を用いて適切なTFRIを選択することで適応変調符号化 (AMC: Adaptive Modulation and Coding)を実現する。ただし、3GPP上では本機能を実現するアルゴリズムは規定されず、実装依存となっている。
* 端末側
 * パケット合成型HARQ - 受信失敗データを廃棄せずに再送データと組み合わせて復号を行う。複数のHARQプロセスが独立に動作する。復号成功時にはACK、復号失敗時にはNACKをHS-DPCCH上で伝送する。
 * 順序制御 - 送信側のHARQがプロセスごとに独立に動作するため、初回送信時の時系列順に受信成功するとは限らない。本機能では、初回送信時の順序性を保持した上でデータを上位レイヤへ受け渡す。復号失敗の確認応答が基地局側で復号成功と誤判定してしまうなどの理由で、あるHARQプロセスについてデッドロックが発生することがある。本機能ではこのようなデッドロックを回避するために、受信されるべきデータの待ち時間(''Timer T1'')が設定されている。待ち時間が満了すると、端末で受信されたデータは強制的に上位レイヤに受け渡される。
以上のように、HSDPAでは基地局と端末にMAC-hsを追加することで機能を実現しているが、逆に言えば、その他のレイヤには大きな変更が加えられていない。この点から、既にR99通信網を整備している事業者にとっては設備の大幅な入れ替え無しにHSDPAが導入可能であると言える。
HSDPAの要素技術(基地局スケジューラ、HARQ, AMC等)は、auなどが既に商用展開しているEV-DOと本質的には同一である。しかし、EV-DOでは占有帯域が1.25MHz (Rel. 0Rev. Aの場合。Rev. Bでは20MHzにまで拡大予定) であるのに対し、HSDPAでは5MHzと広帯域であるため、HSDPAシステムのみで帯域を占有してしまうことは好ましくない。よって、HSDPAではEV-DOと異なり、端末からは受信品質に対応したインデックスであるCQI(Channel Quality Indicator)をHS-DPCCH上で送信するのみに止まり、実際にタイムスロット単位で送信されるデータサイズは、送信時に使用可能な基地局送信リソースに基づいて基地局で決定する方式が採用された。これにより、音声ユーザやR99パケットユーザが存在することで基地局送信リソースが変動したとしても、問題なく通信を行うことが可能となっている。対してEV-DOでは、ある帯域をEV-DOのみで占有可能なため基地局送信リソースが変動せず、端末側において、所要の誤り率で受信可能なデータレートと受信品質が常に対応することになる。このため、端末から所望のデータレートを直接的に基地局に通知することでAMCを実現している。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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