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臨朝 ( リダイレクト:朝政 ) : ウィキペディア日本語版
朝政[ちょうせい]
朝政とは、
#あさまつりごと:早朝、貴族・文武の官人が参集したうえで天皇が政務をみること
#ちょうせい朝廷がおこなう政治、朝廷の政務一般
である〔熊谷公男は「朝庭を場とする政務」と定義づけている。熊谷(2001)p.238-240〕。また、「朝座に着いた官人による政治」という意味で「朝座政」と呼称する場合もある。
ここでは、1.について述べる。2.については「公事」を参照されたい。
== 飛鳥時代 ==
日本書紀』には、すでに推古朝の「十七条憲法」8条に、「群卿百寮 早朝晏退 公事靡監 終日難盡 」〔全文は「八曰、群卿百寮 早朝晏退 公事靡監 終日難盡 是以 遲朝不逮于急 早退必事不盡」。官吏官僚は朝早く出仕し、おそく退出せよ、公務はおろそかにできず、終日ですべて終えることがむずかしい。したがって、おそく出仕したのでは緊急の用件に間にあわないし、早く退出したのでは必ず事を遂げることができない、の意。〕の記事があり、『隋書』にも600年に派遣された遣隋使が高祖文帝風俗について質問された際、「以天爲兄 以日爲弟 天未明時出聽政 跏趺坐 日出便停理務 云委我弟」〔「開皇二十年 俀王姓阿毎 字多利思北孤 號阿輩雞彌 遣使詣闕 上令所司訪其風俗 使者言俀王以天爲兄 以日爲弟 天未明時出聽政 跏趺坐 日出便停理務 云委我弟 高祖曰 此太無義理 於是訓令改之」の一部。使者の答えは「倭王は天を兄とし、日を弟としており、天がまだ明けぬ未明に王宮に出、あぐらをかいて座って聴政し、日が昇ってくると、あとは弟にまかせるといって政治を委ねる」というものであった。〕と応答したことが記録されており、早朝における天皇の聴政(政治を執ること)が示唆されている。
また、『日本書紀』には大化3年(647年)、孝徳天皇難波の小郡宮で「礼法」を定めたということが記されている。冠位を有する官人は、毎朝午前4時ころまでに朝庭南門の外にならび、日の出とともに庭にはいって天皇に再拝し、そのあと正午まで朝堂で政務を執ることとした。遅刻した者は入ることができず、また、正午の鐘を聞いたら退庁すべし、としている。は中庭につるしておき、鐘をつく者は赤い頭巾をかぶるべきことも定められた〔天皇処小郡宮、而定礼法。其制曰。凡有位者。要於寅時。南門之外、左右羅列。候日初出、就庭再拝、乃侍于庁。若晩参者、不得入侍。臨到午時、聴鍾而罷。其撃鍾吏者、垂赤巾於前。其鍾台者、起於中庭。〕〔吉村(1991)p.198-199〕。鐘つき役人が赤い頭巾をかぶるのは、漢籍にみえる「鶏人(けいじん)」の模倣と考えられ、が時を告げることに由来するものと推測される〔吉田(1992)p.63-64〕。
このとき、『魏志』倭人伝にも記された古くからの伝統である、両手を地面につけ、ひざまずいておこなう礼法(跪礼(きれい)・匍匐礼(ほふくれい))から、中国ふうの起ったままお辞儀する礼法(立礼(りつれい))に改められ、のちの時代に「難波朝庭(なにわのみかど)の立礼(たついや)」と称された〔。跪礼・匍匐礼は、のちにもしばしば禁止されていることから、旧来の慣習はなかなか改まらなかったものと考えられている〔。
== 奈良・平安時代 ==
奈良時代平安時代にあっても、早朝の聴政は続いており、「養老令」の宮衛令(くえいりょう)には、朝夕の鼓に合わせて宮城の門が開閉されることが定められており、午前6時半には朝堂の門を開くものとされている。この規定は「大宝令」の宮衛令以来のものと考えられる〔〔「養老令」の職員令(しきいんりょう)には、陰陽寮に2名の漏剋博士を置き、そのもとで守辰丁が漏剋(水時計)を用いて定時に鐘鼓をうって時報とすることも定められていた。〕。さらに、「延喜式」では、季節による日の出・日の入りの時刻の変化に応じた門の開閉の時刻を、より詳細に定めている。
「延喜式」によれば、諸司の五位以上の官人は、大雨の日や11月から2月の極寒期をのぞき、基本的には毎朝、朝堂院で政務を執ることとなっていた。官人たちは、朝堂でみずからの席次(朝座)に就くと官司官庁・官人組織)ごとに日常の政務を処理する。これを常政というが、弁官の決裁が必要な場合は弁官のもとへいって報告することとなっていた。これが申政である。また、太政大臣左大臣右大臣に直接上申する際には、その旨を弁官と外記に告げることとなっていた。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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