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RD-270 : ウィキペディア日本語版
RD-270[あーるでぃー270]

RD-270 (, Rocket Engine 270, 8D420) - は1960年から1970年にかけてソビエトOKB-456(第456設計局)によって開発された単体の燃焼室を備えた二液推進系の液体燃料ロケットである。月面到達を目指すUR-700とUR-900ロケットシリーズの第一段に使用される予定だった。1970年12月31日に搭載予定のロケットの作業と共に終了した。ソビエトとロシアにおいて単体の燃焼室のロケットエンジンとしては最も高推力で地表で640tの推力だった。推進剤には非対称ジメチルヒドラジン(UDMH)と四酸化二窒素(N2O4)が使用された。燃焼室圧力は当時最大の約26 MPaだった。これは流入する全ての推進剤を燃焼室で燃焼する為に送る前に酸化剤リッチと燃料リッチの状態で駆動する二組のタービンを通すフルフロー二段燃焼サイクルを適用する事によって達成された。これにより地表での比推力は301秒に達した。
エンジンの試験は進行中だったが計画の中止が決まった。1970年12月11日に全ての作業がロケットの計画に纏わる他の全ての作業と共に止まった。開発は凍結され試験段階だった試験用エンジンのみが残された。
2009年時点においてソビエトとロシアにおいて単一の燃焼室のエンジンとしては最も強力である。
== 歴史 ==
RD-270の開発は1962年6月26日に開始された。予備調査と開発と量産はヴァレンティン・グルシュコが率いて1967年に予備調査が完了した。完成当時は高沸点推進剤を使用するエンジンとしては世界で最も強力なエンジンだった。1967年から1969年にかけて海面高度での作動の為に(膨張比の小さい)短いノズルを備えたいくつかの実験用エンジンの燃焼試験が行われた。22機のエンジンで計27回の燃焼試験が行われ、その中で3基のエンジンが複数回試験されその中の1基は3回試験された。後にUR-700ロケット計画の中止により全ての作業は止まった。
エンジンの開発は理論上高比推力が期待される燃料としてペンタボラン'zip'推進剤の使用の可能性を試験する為にRD-270mに変更された。燃料のペンタボランは大きな毒性の問題をはらんではいたがエンジンの比推力を42秒増加した。試験は環境上の問題により局地的に実施された〔Astronautix: RD-270 .〕。N-1ロケットの為に改良されたRD-270Kがあったが地上試験の段階で問題が解決しなかった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「RD-270」の詳細全文を読む




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